ペッパーは成功しない。ワカマルと比較して考えるペッパーの問題

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以前にTwitterで話題になった、家庭用ロボットのワカマルが産業廃棄物としてゴミ捨て場に置かれている画像を覚えているだろうか。

http://robomedia2006.blog.so-net.ne.jp/2007-07-31

このワカマル、100台を一般家庭に売るつもりが10台も売れなかったという。2007年ごろに販売中止となったらしい。

そしてこのロボット、ソフトバンクから登場した最新人形会話ロボットペッパー(Pepper)にそっくりである。顔の可愛さではワカマルが上だが、基本的なコンセプトや大きさ、形状はかなり似ている。
そこでこの二つを比較してPepperが成功するのか考えてみたい。

ワカマルの問題点

  • 高価すぎる
  • 音声認識の精度が低い
  • 日本の家屋では大きすぎる
  • 段差を移動できない
上記ブログでは以上の点が失敗の原因として指摘されている。
では、これをPepperと比較してみるとどうなるだろうか。

Pepperの問題点

  • 可愛くない
  • 基本価格は20万円
  • クラウドAIの料金が高い
  • 音声認識の精度は高い
  • 日本の家屋では大きすぎる
  • 段差を移動できない
実用度ではワカマルを超えているが、サイズ感は未だに問題である。
都会人の家では明らかに置き場に困るサイズだ。
動作にパワーが必要で電力消費が大きくなるという問題もある。

それだけではない。転倒時にペッパー自身が壊れたり、周囲の物を壊す可能性がある。また、本体が重いため起こすのに手間がかかるという問題がある。地震の際は特に危険だ。

しかも本体価格は比較的安価だが、クラウドAIの使用料金は月々14800円の36ヶ月契約だ。誰が買う気になるだろうか。

ペッパーの利点

Pepper独自の利点として、デベロッパーがアプリを開発できることが挙げられる。アプリストアを解放し、ユーザーがアプリを自由に開発できるようにして成功したiPhoneを真似てやろうというソフトバンクらしいやり方だ。

しかし、まず売れなければ話にならない

というのも、アプリ開発には相応のコストが必要で、販売台数の伸びないデバイス向けにアプリ開発することは考えにくいからだ。初期のアンドロイド端末もこれで苦労した。

アプリの存在しない現時点においても相当の販売数が見込める状況でなければ、アプリ開発に参加するデベリッパーはおらず、ペッパーの成功も見込めない。
もちろんソフトバンクが補助金を出して開発してもらうという展開もありうるが。

果たして売れるのだろうか。

指摘しておきたい問題点

根本的な問題として、ペッパーの開発者が理解していない点を指摘しておく。
まず顔だ。いくら会話が上手だと言ったところで、このたぬきみたいな顔のロボットと積極的に会話したいとは思わない。

あくまで道具として仕方なく使うなら構わないとしても、現時点では仕事に使えるわけでもなし、愛着もないのにわざわざ買う人間はいない。

新しいもの好きが買うとしても、後発で顔やフォルムの優れたロボットが出てくれば負ける可能性も高い。たとえばキロボのように、可愛くて高機能なロボットが登場すればペッパーは負けるだろう

ロビを14万円かけて組み立てたのにPepperが20万円で登場して云々という意見も聞くが、ロビの代わりはPepperには務まらない。別物だ。

個人的には高橋智隆が開発中のロボットに期待している。

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2 件のコメント:

  1. と、思えるのですが、一般向け販売モデル初期生産分はは1分で完売でしたからね。売れてますよ。
    pepperの顔も、最初は不気味なんですが、1時間もいじってるとなれてきます。感情AIが豊かなので、拗ねたりひねくれたりふざけたりと結構面白い。
    やっぱりSoftBankは携帯を売ってきただけあって、販売戦略がうまいですね。

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  2. http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/16/110700001/071300041/

    何台売ったら売れてるのかは難しいところですよね

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